「メモリーパレス(Memory Palace)」は非常に古くからある記憶術で、日本語では「記憶の宮殿」や「場所法(ロキ法)」とも呼ばれます。
メモリーパレスは、空間的な記憶を利用して情報を覚える方法です。自分がよく知っている場所(例えば自宅や学校、通勤ルートなど)を頭の中に思い浮かべ、その中に覚えたい情報を「置く」ことで記憶を助けます。
メモリーパレスの使い方
【ステップ1】場所を選ぶ
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よく知っている場所を選びます。例:
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自宅
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通学・通勤路
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学校の教室や図書館
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ゲームのマップでもOK
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【ステップ2】ルートを決める
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具体的な順路を頭の中で決めます(例:玄関 → リビング → 台所 → 自分の部屋)。
【ステップ3】覚えたい情報をイメージ化
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例えば、「水=魚が泳いでいるバケツ」、「火=燃えているろうそく」など、視覚的に印象的なイメージに変換します。
【ステップ4】ルート上に情報を配置
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各部屋・場所にそのイメージを「置く」ようにします。
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できるだけ「動き」や「感情」を入れると記憶に残りやすくなります。
メモリーパレスは、「記憶したい情報を、身近でイメージしやすい場所に結びつける」ことで、忘れにくくする技術です。
たとえば…
あなたの家の「玄関」に、牛乳がこぼれていたらちょっとびっくりしますよね?
普段見慣れている場所に「不自然な光景」があると、脳はそれを強く覚えようとします。
つまり
こうやって、**「覚えたいこと」+「イメージ」+「場所」**を結びつけることで、思い出すときにそのルートを頭でたどるだけで情報がよみがえります。
◆ 現代におけるメモリーパレスの活用例
1. スピーチや発表の時
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スライドを見ないで話すと「説得力」が格段にアップ。
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特にTEDのようなトークイベントでは、話を覚えて自然に伝えるスキルが重要。
2. 試験・資格勉強
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医師国家試験、司法試験、英検など「大量の知識を正確に覚える」必要がある試験で効果を発揮。
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単なる丸暗記ではなく、意味と場所で関連づけるので長期記憶になりやすい。
3. 営業トークや接客
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商品説明を即座に説明したり、お客様ごとの情報を忘れずに応対できる。
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「相手の名前+特徴+前回の会話」を記憶しておくなどの実用例も。
4. パフォーマンス(演劇、落語、朗読など)
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セリフや順序を体で覚えることに加え、脳でも場所的に整理することでミスを減らせる。
5. 記憶競技・脳トレ
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世界記憶選手権などでは、この技術が必須。
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認知機能の維持や強化にも役立つとして、高齢者の脳トレとしても注目されています。
つまり、「見れば済むけど、見ないでできた方が圧倒的に強い」場面では、メモリーパレスがとても有効です。
メモリーパレス、ぜひ使ってみてくださいね!